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 先週の木曜日に、恩師の葬儀に出席してきました。小学校の5年生から6年生の2年間、担任だった方です。

 先生との事で良く覚えているのは、図画工作についてです。
 ある授業で黒い厚手の画用紙と、白い普通の上質紙を1枚ずつ渡されました。課題は「白い紙を切って、黒い紙に糊で貼って模様を作る事」。黒い紙と白い紙の大きさは同じで、「切り貼りする白い方はできるだけ全部貼って、捨てる部分を出さないように」また「白い紙同士は、重なってはいけない」という条件付きでした。
例1)白い紙を細長く切った物を2本作り、それを交差させて×印を作るのは不可。
例2)白い紙を細長く切った物を4本作り、重ならないように×印を作るのは可。
 何を隠そう私は不器用で、こういった切った貼ったの時はいつも苦戦してました。しかし、この課題の時は、それ以上に「人と似たような物になる」のが問題だったのです。

 なかなか上手く切った貼ったができず、イライラしながら周囲を見渡すと、同級生達の作品は綺麗な模様ができ始めています。で、自分の手元を見ると、他の人が作ったものと同じような物ができているように思え、嫌になってやり直してしまう…これを何度も繰り返しました。作業は遅れる一方。
 誰が最初にやり出したのか、皆が作っていたのは花火のような模様が一番多かったんです。黒地に白ですから、花火が連想されるのも無理はないのですが、人より作業が遅れていた私は何を作っても人の真似をしているように見えるのが不愉快で、どうしても我慢できなかったんです。

 授業も終わりに近づいてきた頃、ろくに作業が進んでいない私は何かがプツッと切れたようで、猛烈な勢いで、白い紙を細切れにし始めました。きれいな短冊状でも四角や三角のような整った図形でもなく、ひたすら細切れ。で、切ったそれをベタベタと黒い紙に貼りだしたのです。
 渦のように。
 時間ぎりぎりに完成したそれは、皆の作品と一緒に教室の壁に飾られました。多くの作品が短冊状の白い紙を放射状に並べていたので、不定形を渦状に並べたのは、これでもかというくらいに浮きました。自分としては、何とか時間内に終わらせられた事と、人の真似ではないという事に満足しましたが、ふと「…こんだけ違っていいのかな」と思いました。理屈ではなく、ただ漠然とそう思ったんですね。

 この時、先生が私の作品を好意的に面白がったんですよ。どう言われたのかは思い出せないのですが、私の図画工作としては高い評価をもらいました。
 これがとても嬉しかった。
 同年代の中で、自分は少しずれているように思っていたのですが、それを肯定的に受け取ってもらえたのが、嬉しかったんですね。お陰様で、ずれたまま成人しましたが(苦笑)。
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